ジャガーはどこに向かうのか?

jaguar

いま、ジャガーはどうなっているのか

正直に言うと、
いまのジャガーは「何を売っているブランドなのか」が非常に分かりにくい。

日本の公式サイトを見ると、
「2025年 新車受注終了」という一文が静かに記されている。

出典:ジャガー公式ウェブサイト

これは単なるモデルチェンジではない。
事実上、現行ラインナップの終了宣言だ。

かつては、

・XE
・XF
・F-PACE
・F-TYPE

と、しっかり“選べるライン”があった。
だが今、それらはすべて姿を消しつつある。

つまり今のジャガーは、
「次のクルマが出るまで、何も売っていないメーカー」になっている。

これは普通じゃない。


なぜ、こんな状況になったのか

理由ははっきりしている。

ジャガーは数年前、
「完全EVブランドになる」という決断を下した。

中途半端なハイブリッドも作らない。
ガソリン車も残さない。

一度すべてを終わらせて、
新しいジャガーとして生まれ変わる。

──それが彼らの選んだ道だった。

ただ、この決断はあまりにも“理想主義的”だった。

世界はまだそこまでEV一色ではない。
そして市場は、そこまでジャガーを待ってくれていなかった。

結果として、

「売るクルマがない期間」

という、メーカーとしては極めて異例な状態が生まれた。


TYPE 00という“象徴”

出典:ジャガー公式ウェブサイト

そんな中で現れたのが、
TYPE 00(タイプ・ゼロゼロ)だ。

これは量産車ではない。

「ゼロエミッション」「ゼロリセット」を司る未来のジャガー像を示す“思想の塊”だ。

公式はこう語る。

「Copy Nothing(何も真似しない)」

確かに、美しい。
無駄を削ぎ落とした造形、彫刻のような面構成。
未来的で、洗練されている。

だが、こう思った人も多いはずだ。

「これ、本当にジャガー?」

かつてのジャガーが持っていた、
あの“艶”や“色気”が感じられない。

理性的で、完璧で、でもどこか冷たい。


EV時代と「美しさ」のズレ

EV時代のデザインは、どうしても似通う。

・フラットな床
・グリルレス
・空力重視のフォルム

合理性を突き詰めれば、皆似てくる。

だがジャガーは本来、
合理性よりも“情緒”で勝負してきたブランドだった。

Eタイプが象徴するように、
美しさとは理屈ではなく感情だった。

それなのに今、
ジャガーは“正解っぽい未来”に寄りすぎている。

出典:ジャガー公式ウェブサイト


EUの2035年規制が生んだ誤算

ジャガーがここまで振り切った背景には、
EUの「2035年ガソリン車販売禁止」方針がある。

だが近年、その流れは揺らぎ始めている。

・e-fuelの容認
・ハイブリッド継続の可能性
・規制緩和の議論

つまり、
“EV一択”でなくてもよくなりつつある。

その中でジャガーは、
すでにICEを捨ててしまった。

これはかなりリスクの高い賭けだ。


それでも、ジャガーに期待してしまう理由

それでも思ってしまう。

ジャガーは、まだ終わっていない。

なぜなら彼らは、
安全な道を選ばなかったからだ。

売れ線を残すこともできた。
SUVを延命することもできた。

それでも彼らは、
「ブランドを作り直す」という一番苦しい道を選んだ。


個人的な本音

もし願いが叶うなら、
ジャガーにはこうあってほしい。

・EVでもいい
・でも艶がほしい
・触れたくなる形であってほしい

効率じゃない。
数字でもない。

“感情を動かすクルマ”であってほしい。

このままだと次期007での車両はどうなってしまうのだろうか?


まとめ

ジャガーはいま、
「売れるクルマ」を作っていない。

代わりに、
未来への問いを投げかけている。

それが正解かどうかは、まだ誰にもわからない。

だが一つだけ確かなのは——
このブランドは、まだ終わっていない。

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