ラグジュアリー・チューナーとして知られるMansory(マンソリー)。
今では「フルワイドボディ」「観音開きのGクラス」「全面張り替えの内装」といった過激なイメージが強いですが、実はスタートはもっと落ち着いたものでした。ここでは、その変遷をたどってみます。
Contents
創業期 ── イギリス車への思い入れ
Mansoryは1989年、ドイツ・ミュンヘンで設立されました。
創業者Kourosh Mansory氏はロンドンで暮らしていた経験からイギリス車への強い思い入れを持ち、初期の対象は Rolls-Royce、Bentley、Aston Martin でした。
当時のスタイルは控えめで、上質なカーボンパーツやシンプルなエアロで“純正+α”を提供するイメージ。まさに英国的なラグジュアリーの延長線でした。

出典:MANSORY公式サイト
(https://www.mansory.com/)
個人的に20年ほど前に最初にMANSORYを認識したのがアストンマーチンのDB9とV8ヴァンテ―ジのこのエアロキット、今ような派手さはないですがエレガントなアストンのフロントマスクをさりげなくよりスーパーカーさを感じるデザインでまとまっており当時他にアストンのエアロはほとんどなかったこともありMANSORYの存在感を感じたものです。
過渡期 ── 「Cyrus」の衝撃




出典:MANSORY公式サイト
(https://www.mansory.com/)
その路線を変えたのが、Aston Martin DB9/DBSベースの「Cyrus」。
限定15台フルカーボンのワイドボディを纏い、インテリアも張り替え。
エレガンスと攻撃性を両立したデザインは「Mansoryが変わり始めた」象徴的な1台でした。
まだ現在ほどの“やりすぎ感”はないものの、「純正を尊重したドレスアップ」から「独自の主張を加えるフルコンバージョン」へとシフトしたきっかけと言えるでしょう。
この記事を作成中国内で4/15の個体が中古販売中です、今のMANSORYといえばカーボンにつながる原点ともいえる車両、是非一度は見てみたいものです。
転換期 ── SUVと中東市場




出典:MANSORY公式サイト
(https://www.mansory.com/)
2010年代半ばになると、世界的にSUVブームが到来。
Mansoryは Mercedes G-Class や Bentley Bentayga に注力し、大胆なワイドボディ化・フルカーボン化を進めます。
顧客層も中東やロシアの超富裕層へと拡大し、「派手さ=価値」という市場ニーズに応えるように進化。内装も全面張替え、カラーや素材も唯一無二のオーダーメイドを徹底するようになりました。
過激期 ── やりすぎを美学へ




出典:MANSORY公式サイト
(https://www.mansory.com/)
そして現在のMansoryは、“やりすぎこそ美学”という領域へ。
- 観音開きドアのGクラス「Grand Entrée」
- ランドーレット化した「Speranza」
- 全面張替え+カラフルレザーのインテリア
- アーティストとのコラボによるワンオフモデル
これらはもはや「チューニング」というより「再創造」に近く、Mansory自身が公式で掲げる「Unique masterpieces that defy convention(常識を超える唯一無二の作品)」という理念を体現しています。




出典:MANSORY公式サイト
(https://www.mansory.com/)
まとめ──Mansoryの進化は必然だった
Mansoryの歴史を振り返ると、
- エレガンス(創業期)
- 挑戦(Cyrus)
- 派手さ(SUVブーム)
- 過激(現在)
という流れが見えてきます。
つまり現在の“やりすぎMansory”は、単なる奇抜さではなく、時代の流れと顧客ニーズの中で必然的に進化してきた姿なのです。
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